- 予備費っていくら用意すれば安心なのか知りたい
- 貯金とは違うの?どこまで必要?
- 突然の出費にいつも焦ってしまう
そもそも予備費とは?意味と目的を知ろう

「予備費って、そもそもどんなお金?」と感じる方もいるかもしれません。
実は「貯金」や「生活防衛資金」とは、役割や使いどころが少し違います。
まずは、それぞれの違いを明確にしておきましょう。
「貯金」や「生活防衛資金」との違い
「予備費」とは、日常生活の中で予想できない“もしも”の出費に備えて、あらかじめ準備しておくお金のことです。
たとえばこんなこと。
- 突然の病気やケガ
- 家電の故障
- 実家への急な帰省
いつ起こるかわからないけれど、起きてしまったらすぐにお金が必要になる場面がありますよね。
そうしたときに慌てずに対応できるように、あらかじめ用意しておくのが「予備費」です。
- 貯金:目的がはっきりしていないお金の蓄え。将来使うことを前提にしていないケースもある
- 生活防衛資金:失業や収入減に備えて、数か月〜半年分の生活費を確保するための資金。長期的な安心感をもたらすもの
- 予備費:日常生活の中で突然必要になる数万円〜十数万円程度の支出に備えた「すぐ使ってもいいお金」
予備費は“安心のクッション”
予備費は、「普段使いのお金」と「本格的な貯金」の間にある、クッションのような役割を果たします。
お金に余裕がないと、突然の出費で家計が崩れ、最悪の場合はカードローンやリボ払いに頼ることにもなりかねません。
そんなときに、予備費があることで「とりあえずこれで対応できる」と思える安心感が生まれます。
予備費は、家計の“緊急ブレーキ”として、あなたと家族を守る小さな盾のような存在なのです。
予備費はいくら必要?目安は月収の〇ヶ月分

「予備費を用意したほうがいい」とはよく聞くけれど、実際にいくら準備しておけば安心なのか、なかなかピンとこない方も多いのではないでしょうか。
ここでは、世帯構成や生活状況に応じた予備費の目安や、実際に使う場面を踏まえた金額の考え方について、具体的に見ていきましょう。
一般的な目安は「月収の1〜2か月分」
予備費の一般的な目安は、手取り月収の1〜2か月分と言われています。
たとえば、月収25万円の人であれば、25万円〜50万円程度を目安にするのがよいでしょう。
ただし、この金額はあくまで「目安」。家庭ごとの事情によって、必要な予備費の額は大きく変わります。
家族構成・収入の安定度で目安は変わる
収入が不安定な職業の方やフリーランスであれば、より多めに用意しておくと安心です。
逆に、収入が安定していて共働きの家庭では、必要額を少し抑えてもよい場合もあります。
一人暮らしとファミリー世帯の違い
一人暮らしの場合、急な出費は限定的であることが多いため、月収の1か月分程度でも比較的対応しやすいでしょう。
一方で、ファミリー世帯では、子どもの急な体調不良や家族全体の出費が重なるケースもあるため、最低でも月収の2か月分を意識したいところです。
予備費を使う場面と想定額の例
予備費が必要になるのは、どんなときなのでしょうか?
以下に、よくある“急な出費”の例と、目安となる金額を挙げてみます。
- 家電の故障(3〜10万円)
冷蔵庫や洗濯機、エアコンなど、突然壊れてしまうと生活に支障が出る家電はすぐに買い替える必要があります。 - 突然の病気やケガ(1〜5万円+α)
通院・入院費や薬代などが想定されます。健康保険で一部カバーされますが、差額ベッド代や自由診療は自己負担になることも。 - 冠婚葬祭や交通費など(2〜10万円)
友人や親族の結婚式、突然の不幸による帰省など、予告なしにかかる出費の代表例です。複数の出費が重なると予備費の出番が一気にやってきます。
こうした支出は、毎月起こるわけではないからこそ、備えがなければ焦ってしまうもの。
だからこそ、「予備費はいくら必要か」を考える際は、こうした事例を参考に、生活スタイルに合わせて金額をイメージすることが大切です。

エアコンなど季節商品は、夏前に修理依頼が集中します。事前に試運転してチェックしておきましょう
「予備費がいくら必要か」のシミュレーション方法
では、実際に自分にはいくら予備費が必要か、どうやって計算すればいいのでしょうか。
難しく考えず、以下の2ステップで見積もってみましょう。
直近1年で急な出費を振り返る
まずは、この1年で発生した“イレギュラーな出費”を振り返ることから始めましょう。
通院費、家電の買い替え、交際費など、「その月だけ特別に支出が増えたもの」をリストアップして、合計金額を出してみてください。
この金額が、実際にあなたの生活における予備費の必要額の参考になります。
ライフステージごとの必要額の変化
予備費は、ライフステージによって必要額が変化するのも特徴です。
- 進学、就職、結婚、出産などイベントが増える時期
- 子どもが成長し、教育費や医療費がかかる時期
- 定年後など固定収入が減る時期
こうした変化に合わせて、「今の自分にとって、予備費はいくら必要か?」を年に一度は見直すことが理想的です。
予備費の作り方と貯め方|今日からできる3ステップ


「予備費が必要なのはわかっていても、どうやって貯めたらいいかわからない…」という声はとても多いものです。
でも大丈夫。今日からすぐに始められる、シンプルで効果的な3つのステップを紹介します。
無理のない方法で、しっかり“安心の備え”を整えていきましょう。
ステップ1|使わない専用口座を用意する
まず最初のステップは、「使わない専用口座」を用意すること。
普通預金と分けるだけでも効果的です。
普段使っている口座と予備費を同じ場所で管理していると、つい他の支出に回してしまいがちです。
そこで、「予備費専用」と決めた口座をひとつ作りましょう。貯蓄用口座でも、ネット銀行のサブ口座機能でも、家にある封筒でもOK。
お金を“視覚的に隔離”するだけで、使いすぎを防ぐ効果があります。



“お財布の中に入っていないお金”だと意識することで、自然と手をつけにくくなるのです
ステップ2|毎月自動で積み立てる
予備費を貯めるうえで大切なのは、「気が向いたら貯める」ではなく、“仕組み”で貯めること。
おすすめなのは、給与が振り込まれる口座から自動的に予備費口座へ振替する設定をしておくことです。
たとえば、毎月5,000円でも10,000円でも、給与日に合わせて自動で移すようにすれば、貯金のクセが自然につきます。
この方法なら、「残ったら貯める」から「先に貯めて残りで生活する」スタイルにシフトできます。
最初は少額でもOK。大切なのは「毎月積み立てる」というルーティンを作ることです。
ステップ3|急な出費のたびに記録して見直す
最後のステップは、使ったときに必ず記録を残すこと。
予備費は「貯めたら終わり」ではなく、「どう使ったかを振り返って、必要額を更新していく」お金です。
おすすめは、家計簿アプリやスマホのメモ、または手帳などに“予備費ログ”をつけること。
いつ、何に、いくら使ったかを記録しておけば、「あのとき足りなかった」「この程度で済んだ」といった振り返りができ、より正確な目安を持てるようになります。
定期的にこのログを見直すことで、「予備費はいくらあれば足りるか?」の答えがあなた自身の生活データから導き出されるようになります。
予備費の管理のコツと注意点


せっかく貯めた予備費も、いざという時に使えなかったり、日常の支出に紛れてしまっては意味がありません。
「いくら貯めるか」だけでなく、「どう管理するか」も大切なポイントです。
ここでは、予備費をムダなく、確実に活用するためのコツと注意点を紹介します。
預金と混ざらないようにする工夫
予備費は、生活費や通常の貯金とはきっちり分けて管理することが鉄則です。
ひとつの口座にすべての資金をまとめてしまうと、「いくらが予備費なのか」が分かりづらくなり、使い込みの原因にもなります。
具体的には、以下の方法が効果的です。
- 専用口座を作って分離する
- サブ口座・貯金箱・デジタル口座などを活用
- 家計簿で「予備費」項目を分けて記録
預金を用途別に分けることで、「これは使っちゃダメなお金」と自然に意識できるようになります。
「使っていいお金」として区別しておく
予備費は、あくまで「使ってもいいお金」です。



「今すぐ使う予定がないから使わないだけ」であって、必要なときはためらわずに使うのが正解
たとえば、家電が壊れた、急に通院が必要になった、親族の不幸で帰省が必要になった――そんな時は、貯金を切り崩す前にまず予備費の出番です。
「いざという時に頼れる心の支え」として、予備費の役割を正しく理解しておくことが安心につながります。
クレカやローンに頼らない安心感をつくる
予備費があることで、急な出費があってもクレジットカード払いや借金に頼らずに済むようになります。
利息のあるローンやリボ払いは、後々の家計を圧迫するリスクが高いため、できるだけ避けたいところです。
あらかじめ「このくらいの急な出費なら自力で対応できる」というラインを作っておくことで、お金の不安が減り、精神的にもゆとりを持てるようになります。
つまり、予備費は「お金を使うための貯金」ではなく、「お金の自由と安心を守るための防衛策」。
これを上手に管理できる人ほど、家計の軸が安定しやすくなるのです。
まとめ|予備費が「ある」と「ない」で家計の安定度は段違い!
急な出費は、どんな人にも、どんな家庭にも、突然やってきます。
そのときに頼れる「予備費」があるかどうかで、家計のダメージも精神的なゆとりも大きく変わるのが現実です。
月収の1〜2ヶ月分を目安に、少しずつでも積み立てておくことで、「何があっても大丈夫」と思える土台が整います。
「いくら必要か」「どう管理するか」を知った今こそ、できるところから始めてみましょう。



ではまた!